コーポレートコーチングは、組織が成果をあげるためにコーチが組織のメンバーに対して働きかけるための考え方とその具体的な活動のことです。
コーチは組織のメンバーである場合もあれば、組織外の者であることもあります。
通常コーチングは、科学的に裏付けられた理論を背景としており、ここでご説明するコーポレートコーチングはAI(人工知能)の基礎となっている認知科学を土台としたもので「コグニティブ・コーポレート・コーチング」と呼ばれています。
コグニティブ・コーポレート・コーチングは理論的にしっかりと確立されたものですが、実施するのが人間ですので、コーチの技量がコーチングの成果を左右する、という現実もあります。
組織の中にコーポレートコーチングを実施できるメンバーがいるのが最善ですが、これはなかなか難しく、外部のプロコーチがコーポレートコーチングを実施していき、そのノウハウを徐々に組織に移管していく形が現実的です。
◆「コグニティブ・コーポレート・コーチング」とは
コグニティブ・コーポレート・コーチングは、認知科学の最新の知見を応用して確立されています。
以下、それぞれの用語をご説明します。
・コグニティブ(Cognitive:認知)
ここでは、コグニティブサイエンス(認知科学)におけるコグニティブ(認知)を指しています。認知科学は「脳と心」の機能を研究する学問であり、現代の科学の基本パラダイムとなっています。
・コーポレート(Corporate)
組織。営利企業にとどまらず、公的組織、非営利組織、軍、スポーツチームなど、何らかの目的を持つ人達が集まっている組織を指しています。
・コーチング(Coaching )
「コーチ」とは「馬車」を語源としています。「馬車」は目的地に向かいたい人を乗せて、目的地まで連れて行く乗り物で、ここから転じて、「目的地に向かいたい人を目的地まで連れて行ってくれる人」のことをコーチと呼ぶようになりました。「コーチング」とは、コーチが行う活動を指し、ゴール設定とゴール達成の方法(「脳と心」の使い方)についての理論と技術を体系化したものです。
- コグニティブ・コーポレート・コーチングは、ハイパフォーマンスやイノベーションを効果的に生み出すための「脳と心」の仕組みと使い方を習得するものです。
- 組織のパフォーマンスはそこに所属する個人のパフォーマンスによって決まりますが、そのパフォーマンスは「脳と心」の使い方によって決まります。コグニティブ・コーポレート・コーチングは、認知科学という「脳と心」の機能を研究する学問に基づいて「脳と心」の使い方を向上させることに主眼を置いています。
- 認知科学に基づいて設計されているため、組織や個人の成功体験や経験則から作られた再現性に乏しい方法論とは異なり、全ての組織や組織メンバーに適用可能なものです。
- 組織が抱える問題には様々なものがありますが、どのような問題であったとしても、その背景にあるのは組織の構成員の「脳と心」の使い方がです。そのため、仮に原因が構造的・物理的なものであったとしても、問題の本質を「脳と心」の問題として捉え、この部分に認知科学的にアプローチすることで、問題点に根本から対応することが可能になります。